今日は生活保護の申請書作成業務が4件。それぞれ時間を取って生い立ちから今日に至る経過を聞き取り、生活保護申請代理人として申請書を作成し、福祉事務所に提出する。
彼は中国地方の出身だが、訳あって野宿状態が5日続き、携帯で岡行政書士事務所の生活支援サポートにたどり着き支援を求めてきた。
しかしながら声が小さく、電話の声が聴きづらい。電波の状態も悪いのか、頻繁に音声が途切れる。それでもなんとか事情を聞くと、今日から初期費用も無しで直ぐに入居できる家を提供し、生活保護の申請も行う為には大阪に出てきてもらう以外無く、口座にはバス代を振り込んであげた。
昨日にはバスに乗り、深夜には大阪に着くはずなのだが、幾ら電話しても不通だ。「これは詐偽か?」と一瞬思ったが、深夜に電話が鳴った。無事に大阪のマンション(アパート)に到着したらしい。西成にある所謂「ドヤ」と言われるマンションの経営者さんは部屋を用意し、カレーライスも用意していてくれたらしい。彼に取っては何と5日ぶりの食事だ。
今日会うと、昨日までとは違って元気な声で安心した。顔を見ないで電話だけでなので分からなかったが、5日も食べていなければ、意識は朦朧としてまともに対応も出来なかったのだろう。
今日はこんな交通費立替で大阪に呼び寄せたケースが4件。それぞれ複雑で深刻な事情を抱えているが、若い子も多く、人生まだまだこれからの人が多い。誰一人人生すでに終わっている人はいないのだ。
安心して寝ることのできる家と、食べていけるお金をとりあえず確保することが人生再生の第一歩。どんな輝ける未来が待ち受けているか分かったもんじゃない。その可能性を摘み取るか、生かすか、それは彼ら以外の「みんな」にかかっていると思う。「自業自得」「自己責任」という言葉を超えたところに本当に「人間」と呼ぶに相応しい社会は存在するのだろう。