岡行政書士事務所では、派遣切り等で仕事と家を同時に失ってしまった方に、直ぐに住める住居を紹介し、生活保護申請もサポートし、当面の生活を確保するという業務を一つの柱にしている。
 この「生活支援サポート」というサイトにはこれまで30万人以上のアクセスがあり、毎月20人から30人程度の方の住居と当面の生活確保を行ってきた。
 相談者の年齢を見ると、65歳未満が9割近く、若い方の比率が多い。
 若くして生活保護を受けるというと「怠け者」のイメージがあるがそうではない。
 典型的なパターンは派遣労働など不安定な就業形態の人が、所謂「派遣切り」「雇い止め」「パワハラに耐えられず退職」等で仕事と家を失ってしまう場合だ。登録派遣の場合、仕事が無くても寮費や食費等の負担があるため、寮を出るときは僅かのお金しか手持がない。まずネット喫茶等で何日か過ごし、必死で「寮付派遣」「家と仕事」などのキーワードで次の住み家と仕事を探すが、中々みつからない。その内にお金も底を尽き、財布にはあと数十円、数百円となって岡行政書士事務所に助けを求めて来る。
 彼らの生い立ちを聞くと、過酷な生育歴の人が多い。親からの虐待、親から遺棄され、児童養護施設で育った人も多い。こうした生育歴が原因の一つかも知れないが、精神障がいをもっていたり、うつ病などの精神的疾患をもっている人もかなりの比率だ。しかしお金も無く、健康保険もないので医師の診断・治療もまともに受けていない。
 若いからと言って、生活保護を受けることが恥ずかしいことではない。ここで一度翼を休めて、この機会に資格や技能も身につけ、安定した仕事に就いて自立する「スタートライン」になれば、日本全体にとってものこれほど有効な「投資」はないはずだ。
 実はそんな思いで一昨年、私、行政書士・岡晃敏がメインパーソナリティ、事務所スタッフの宇井久美子がサブパーソナリティとして、ラジオ関西で「ここが君のスタートライン」という番組を放送した。
 そのとき、番組のテーマ曲として制作したのが、「スタートライン」という一曲だ。
 この曲をプロデュースしてくれた、シンガー伊香桃子とは、コロナ渦の最中に知り合った。小規模事業者や文化・芸術分野を救済する補助金取得をお手伝いしたことがご縁となった。
 ある日大阪市淀川区十三にある「風まかせ」という居酒屋さんで呑んでいるときに、岡行政書士事務所として取り組んでいる「生活困窮者支援」の業務が話題となった。
「生活に困っているけどどこに相談したらいいか知らない人も多いで」ということになり、伊香がパーソナリティをしている深夜ラジオの中で、岡と宇井が生活に困窮している方々向けに生活に役立つ制度を紹介するコーナー番組を作ることがトントン拍子に決まってしまった。
 人には自分でも気付いていない様々な可能性や能力、未来があるものだと信じたい。それを見つけ、新しい明日を作るための応援歌、「いつでも再スタートできる社会へ」の願いを込めたのがこの唄。素敵な曲に仕上げていただいたアレンジャーの永野大輔氏(何と、レコード大賞 優秀作品賞受賞の超大物)、歌手のそよかぜ大根雄馬さんに感謝、感謝です。
 是非お聞き下さい。

スタートライン

※文字をクリックすると曲が流れます。

作詞・作曲:岡 晃敏