「生活支援サポート」というサイトには、毎日毎日沢山のアクセスがあり、住居確保と生活保護申請に奔走している。
閲覧者・相談者の特徴は、半数以上が30歳台から50歳台の働き盛り層ということだ。
若くして生活保護を受けるなんて、「怠け者」のイメージがあるかも知れないが、実際はそうではない。相談者のほとんどは派遣や期間工など非正規の不安定な雇用の人達だ。こういう人達は、仕事を失うと同時に住居も失う。その日のうちに退去することを求められ、お金の続く間はネット喫茶等で過ごし、必死で寮付の仕事を探す。いよいよお金も尽きたところで、岡行政書士事務所に最後の望みで相談してくるというのが典型的なパターンだ。
しかし生活困窮者支援の仕事はきれい事ではすまない。
最も困るのは、何の連絡も無く、突然消えてしまう者が一定数いることだ。中には最初の保護費の支給日にお金を持ったまま消える者もいる。また折角申請しているのに、生活保護を受ける前に消える者もいる。生活保護受給中に何の前触れもなく消える者もいる。
昨日まで普通に家主さんと話していたのに、急に連絡がとれなくなるのだから、「何を考えているのだろう」と思ってしまう。
時として「飛んだ」者が何かのきっかけで戻ってくることもある。
消えたときの市役所(福祉事務所)に同行してケースワーカーと一緒に話したが、誰もが思うことは「生活保護を受けて生活も住居も保証されているのに何故突然いなくなったのか?」「いったい何のメリットがあって突然消えたのか?」ということだ。
しかしいくら聞いても彼からは明確な答えは無く、黙ったままだった。そしてまもなく新たなところからも突然消えてしまった。
通常の感覚では何を考えているのかサッパリ理解できない。
しかしそれはそれで彼なりの理由・動機があったのだろう。
ネット広告で「厚遇」を謳う「寮付派遣」に行ったのかも知れない。昔の「友人」に誘われてもっと「条件」のいいところが見つかったのかも知れない。
最初は腹も立ったが、最近は彼らの選択を受けいれるようにしている。紹介した家主さんにはご迷惑を掛けて申し訳ない気持ちだが、どこにいるかも分からず、彼らはまともに住民登録もしないので探しようも無い。
こうした「漂流難民」が日本中でいったい何人いることだろう?
しかし毎日ご飯が食べられて、住む場所があれば、いいではないか?「貧困ビジネス」や「悪質派遣」に欺されて困れば過去がどうであれ、いつでも又支援を惜しまないつもりだ。
こうした信条を歌にしたのが、「あなたのそばに」にという歌だ。MCを担当したラジオ番組のエンディングで流すつもりで作成したが、完成したのは番組終了後というオチがついていた。
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