岡行政書士事務所のサイトである「生活支援サポート」は、今日(2月23日)の21時27分時点で、109人が閲覧し、10人程度からメール、電話で相談があった。
住む家がない、お金がない人に安定した住居を紹介し、生活保護申請を代行するのが主な業務だが、年齢別では45歳〜54歳が4割で近く一番多い。男女別では今日は女性55%、男性45%だった。
閲覧するのは85%は携帯電話(スマホ)経由だ。

45歳〜54歳と言えば、働き盛りのはずだが、今はコロナ渦の中で、この中高年層が真っ先に解雇・雇い止めに遭っているのだろう。
高齢者ではないこの層が生活保護を受けていると言えば、「怠け者」「働けるのに働いていない者」など、世間ではマイナスのイメージが多いが、現実は全く違う。

ネットで検索して岡行政書士事務所にたどり着く「経路」はだいたいワンパターンだ。
先ず、派遣先で正社員等からの「虐め」「パワハラ」等に耐えかねて自分でやめるか、派遣期限が切れて雇い止めになる⇒寮からはその日に退去を求められる⇒お金のあるうちはネットカフェで寝泊まりし、パソコン・スマフォで「寮付き」の仕事を探す⇒それでも中々見つからず、ネット喫茶に払えるお金が今日で無くなる→「家がない」「お金がない」「生活保護」で検索し、岡行政書士事務所を探し当て、相談。

だいたいこういうパターンだ。
最初から「生活保護を受けよう」とは誰も考えていない。ギリギリまで「仕事を探し」、自立して生活しようともがいてもがいて、最後まで頑張って、最後の最後に「生活保護」が選択肢に入ってくるのだ。
だから手持ち金はほとんどが数百円、携帯は使えずWi-Fiの繋がる環境でLINEやメールで相談がある。一番の「大敵」は充電が出来ないときだ。無料で充電してもらえるところを探し当て、何とかこちらにコンタクトがある。だからこちらにコンタクトしてくる人にはどんなに遅くてもその日のうちに連絡する。明日になるともう連絡がとれない場合があり、それが死に繋がることもあり得るからだ。

折角家も確保し、生活保護も受けられるようになったのに、突然消える者がいることを以前紹介したが、彼らは実は生活保護を受けてからも必死で仕事を探していたのだ。岡行政書士事務所にたどり着くまでには探せなかった仕事がようやく見つかったのだ。いろいろ世話になったのに、早期に出て行くことも「不義理」と感じているのだろう。だから突然連絡も無く出て行ったのだと思う。

このように、大概の者は「生活保護に安住」なんてしていない。「仕事がしたい」し、生活保護からも「早く抜け出たい」気持ちで一杯だ。
しかし彼らが見つけることのできる仕事と言えば、再び、非正規、日雇いの仕事がほとんどだ。たまに「正社員」の職が見つかる者もいるが、「ブラック企業」が多いのではないかと心配する。みんな辞めていくので、常に採用しているのだ。
「寮付き派遣」ということは派遣先を辞めれば同時に家も失うということで、派遣⇒解雇⇒生活保護を延々繰り返している者も何人も見てきた。

こういう「非正規労働者階級」という、「労働者階級」の下に、最も低賃金、不安定雇用の「階級」が出現したようだ。実態からみれば「労働者階級」というより「奴隷階級」に近い。
一生家庭を持つことも子ども、孫の顔を見ることを無く、いつまでも会社の寮かワンルームマンションを住み家ににし、全国を転々とし、孤独のうちに老後を迎える・・・。こういう最下層階級が数百万単位で存在するのがこの日本という国だ。
こんな希望のかけらもない境遇に数百万単位の人々を放置していたら、その内の何人かが「犯罪」に走ってもおかしくはない。この層の対策は単なる「貧困対策」では無く、全国民的課題だと思うのだ。

生活保護を受けている期間を「人生再生」の絶好の機会として、じっくり技能も身につけ、資格も取り、安定した仕事と、人間らしい生活を手に入れ、彼女・彼もみつけて結婚し、家庭を作る。そんな当たり前の人生を全国民に保証することが政治と社会の役割ではないだろうか。