「ウィズコロナ」での新たな商品の販売方法として無人店舗が増加しているようだ。
餃子や焼肉、ラーメンなど品数も増えてきている。

一方それとともに増えているのが窃盗犯だ。
窃盗を働いても、防犯カメラがそこら中に設置されているので直ぐに捕まってしまう。

食べ物が豊富に並べられ、客は「自主的」に料金を計算して料金箱に入れていくシステムなので、防犯カメラに写されて逮捕されるというリスクを認識できていない場合はつい手を出してしまうこともあるのだろう。

最近当事務所で支援した知的障害者3人が窃盗等の罪状で逮捕され、現在も拘留中だ。
家主さんから「逮捕された」との一報にはビックリしたが、偶々入居先のマンションの1階に販売所があり、毎日そこで食料を「調達」していたようだ。

現在生活保護の申請中だが、本人達は保護が開始されて保護費が出たらお金は返すつもりだったらしい。
しかし防犯カメラにバッチリ顔が写り、「窃盗犯」として顔写真が店舗に貼り出されているのを見て犯罪を犯してしまったことに気付き、自分から警察に出頭したらしい。

国選弁護人から連絡があり、私が身元引受人となり、被害額(9000円程度らしい)を立て替え、何とか示談にしてもらうように、交渉して頂けるようだ。
知的障害があり、自首して正直に事実を話し、反省もしているということなので、早く出てきてもらいたい日常の生活に戻ってもらいたいとと願うばかりだ。

生活保護受給者が逮捕されると拘留中は生活保護は中断され、起訴されると廃止されることになっている。
貸した家の家賃も入ってこないので家主さんも少なからず損失となる。

しかし、こういうビジネスモデルは無用に窃盗犯を「作り出す」という一面もあるのではないだろうか?
もし無人販売店ではなく、有人であったっり、お金を入れないとモノが買えない自販機であれば、彼らが「窃盗犯」になってはいなかったことだろう。
同じようなことは認知症の方にも起こりうる。

テレビでは検事出身の有名な弁護士が「ばんばん起訴すれば最大の抑止力になる」と言っていたが、それで済むことではない。
犯罪を起こした者をいかに処罰するかではなく、犯罪を生まない環境をいかに作ることが肝要ではないだろうか?

人も機械も不要で利益が大きいというだけで増加を続ける無人店舗だが、「防犯対策」という観点からだけではなく、こういう観点からも見直しが必要ではないだろうか?